◇通関士とは◇
通関士とは財務省管轄の国家資格で、物品の輸出入の通関手続きを行う際に必要とされます。
通関業者は、輸出入手続きの代行を他人から依頼されますが、この時、通関書類の審査や記名押印するためには、営業所に通関士を置かねばなりません。
◇通関士の業務◇
通関士の業務には、以下の4つがあります。
(1)通関手続きと書類作成の代行。
これは貨物の輸入・輸出の際に、税関の許可を得るための申請書の作成です。申請書は既定のルールに基づき細かな分類がなされます。通関士は、この書類を作成し、チェックして税関に提出するために、貨物の個数、価格、関税、消費税を算出する必要があります。さらに、貨物に添付されているインボイスという商品明細が記載された書類を税関に提出します。この時、税関から輸出入の許可が下りないときは、通関士が税関と交渉を行います。
(2)貿易のコンサルティング
倉庫業や運搬業などを兼業していることが多い通関業者では、通関士が貿易に関するコンサルティングも行います。
コンサルティングの内容は多岐にわたりますが、主な内容に、税関を短時間で通す方法や、貨物の保管方法、あるいは配送を効率よく行う方法などについて助言します。また、通関士の専門知識によって、輸入品が国内の法律上で許認可を必要とするかどうかの判断も行います。
(3)不服申し立ての代理・代行
通関士は、税関から行政処分を受けたり、輸出入の許可が下りなかった際に、税関に対して意義を申し立てることが出来ます。この不服申し立てによっても解決が見られない場合は、通関士は財務大臣に対して審査請求を行うことができます。
(4)主張・陳述の代行
通関士は、輸出入業者の代行として、不服申し立てやその根拠を主張することができます。これは通関士が輸出入業者に代わって貿易上の問題解決を行うことができる権限です。